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2016年5月15日日曜日

多賀町I邸改修工事~町家改修・古民家再生・リノベーション~


改修前外観
改修前外観
多賀大社表参道絵馬通りに面する町家の改修工事が始まりました。

絵馬通りとは、多賀大社へのお参りの人で賑わう表参道の名称で、
通りには昔からの姿をとどめる建物と、装いを新たにした商店などが混在しています。

今回の工事では、町家と蔵に残る伝統的なたたずまいのよさを生かしながら、
現代の生活に合った生活空間に改修するとともに、
参拝者や地元の人々に、落ち着いた空間でくつろぎながら、
お茶と軽食と語らいを楽しんでいただける店舗を整備いたします。

店舗は、もともと玄関として使われていた土間部分と、それに続く二間続きの和室、
そして隣接する蔵の1階を喫茶スペースにします。

店舗と外部との関係については、絵馬通りから、店の土間部分と二間続きの和室越しに中庭へ視線の抜けるよう工夫することで、通りからの風景に奥行を持たせたいと考えています。

ただ修復するのではなく、この場所が今日まで人々に魅力を与え続けてきたものの中にある、
これから先も継続的に人々に魅力を与え続けてゆく可能性を持つものを正しく選択し、
さらに今の時代の知恵の総集を付け加えることが大切です。



私は地域再生計画策定委員として、
LLP風のフォーラムから、多賀町のまちづくりに参加させていただいています。

今回の計画が、一件の建物のリノベーションにとどまらず、
「非日常、文化を愉しみ、心豊かに、元気になれる、おもしろい町多賀」

をスローガンに掲げる、多賀のまちづくりの一助となることを願っています。



計画工房I.T株式会社の町家・蔵の再生、活用事例はこちらから。
再生・活用・リノベーション事例集




2016年5月13日金曜日

個性と伝統を生かす街と建物のリノベーション(7)-創造的修景を考える-

















この春、私どもで設計監理を行った建物が、彦根市の夢京橋キャッスルロードに完成しました。

昭和60年代から進められてきたまちなみの修景事業がこうして今も継続できていることは、当初掲げた理念が、まちづくりの良い指標になっていることの証だと受け止めています。

今回はその理念のことを、「伝統・風土など地域の特性を生かす」という考え方と合わせてお話します。


夢京橋の事業に関わり、私たちが作ったコピーが「OLD・NEW 古いよさを生かした新しいまちづくり」です。

「OLD・NEW」は「OLD&NEW」と同じではありません。
後者は古いものと新しいものとの共存、混成を意味します。


「OLD・NEW」は受け継がれてきたものの中にある合理性と美意識を、新しく創られるものの中に生かし、次なる時代の魅力、活力となる創造を行うことを意味します。

これは受け継がれてきた価値の正しい理解と選択によって、次代の優れた価値を創り出していく礎になるDNAを見極め、埋め込んでいくことです。

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2016年5月6日金曜日

個性と伝統を生かす街と建物のリノベーション(6)-創造的修景を考える-

修景に関わる際に大切な二つの考え方についてお話しています。

一、伝統・風土など地域の特性を生かすということ
ニ、個性を生かすということ


今回は、地域の景観を考える際の大切な思考方法について、
「ニ、伝統・風土など地域の特性を生かす」という観点から、彦根城周辺での修景事例を題材にお話します。

彦根市全域の景観は大きく次の3つのゾーンに分けて性格づけられています。

  • (1)山なみ景観
  • (2)市街地景観
  • (3)田園集落景観

彦根城周辺は(2)に属し、歴史景観と地域中心景観の核として、重点的に整備されようとしている場所です。

この地域は基本的には江戸期に形成された都市の性格を継承しながらも、後年に付加された優れた建造物なども含め、一帯として歴史的景観として評価されています。

また、まちなみや建築物だけでなく、彦根城の植物の生態系に目を向けてみると、築城以来400年のあいだに形成された植生は、築城後植えられたものを交えて先人の手によって淘汰されてきた結果、現在成熟した様相を呈するものとなっています。

城周辺の景観が江戸期以降の建造物を含めて歴史的景観であると評価されていること。城の植生が淘汰された結果としてげン剤成熟した様相を呈していること。

この2つの状態は、地域の景観を考える際の大切な考え方を示唆しています。

それは、新たに付加されたもので後の評価に耐えていくものは、その先の時代も継続的に魅力を与え続けてゆく可能性を持っているということです。

つまり、受け継がれてきた価値の正しい理解と選択によって付加されてきたものは、次代の優れた価値を創り出していく礎になるDNAを有しているということです。
 
この地域での景観形成手法の例を下記に示します。


 ・たねや美濠の舎 
この地に古くから残る桜の木を取り込んで景観形成を行っている。






 




・ポム・ダムール
周辺のなごりを手を加えて残し、さらに新しいものを創造する。




 





・スミス記念礼拝堂周辺整備への提案
構造物と植生との調和を図る








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