前回、時代を超えて美しさや魅力を保つということについて、2つの面があると述べました。
- (1)創られたときに保有していた魅力や価値(物質的価値を含め)が、損われずに維持されること
- (2)経年による変化が生じることにより、本来の魅力とは変わっていきながらも、その過程で評価された新たな魅力や、後に付加した価値も含めた価値が持続し続けること。
それぞれの面がどのように、修景計画に作用するのかお話します。
まず(1)を考慮した修景は、その建造物の作られた時代の特徴を代表して復元し顕彰する性格のものとなります。
そこでは文化財的な歴史考証に基づく復元が目的化されると共に、現代建築を伝統的様式を模したパーツでカモフラージュするような改修が行われることもあります。
いわば制度的なお仕着せの計画になりがちで、そこに生活する人のもてなしの心、個性を、まちなみの統一感や連帯感のなかに上手く埋め込んでいく設計がなされない場合があります。
とはいえ、その修景の結果としてそこに博物館的な価値が生まれ、観光客で賑わうという状況が起こるならば、とりあえずの成功とみなせるのかもしれません。
しかしそういった取組にこの先も継続的な活性化を生み出せる魅力があるのかといえば、疑問ののこるところです。
(2)については次回。
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