自治体の条例などには修景の目的や方針として、「郷土の美化」「歴史と趣のあるまちなみの再創出」などの言葉が掲げられています。
ところで、このような目的の達成のために修景計画は実施されていくのですが、そのことで本当に実現しなくてはならないのは、持続的な活性化をもたらす地域資産を生み出すことであるのを忘れてはなりません。
つまり、修景によって住民の暮らしを文化的にも経済的にも継続的に豊かにしていくような仕組みをまちに埋め込むことです。
そして、そのことが来訪者の高い満足感や評価を生み出し、それがまた住民の誇りや満足感に還元されるという循環構造を構築していくことです。
継続的に価値を生み出す仕組みの構築を修景の目的とするとき、その成果物は、時代を超えて時間に耐え得る価値を持つものでなければなりません。
この時間に耐え得る価値とは、時代を超えて美しさや魅力を保ちつづけるというこです。
そして価値が保たれるということには次の2つの面があります。
- (1)創られたときに保有していた魅力や価値(物質的価値を含め)が、損われずに維持されること
- (2)経年による変化が生じることにより、本来の魅力とは変わっていきながらも、その過程で評価された新たな魅力や、後に付加した価値も含めた価値が持続し続けること
この2つの面をどう扱うかによって修景の方向性に違いが生まれることになります。
その点については次回。
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